先日歌舞伎座で「松浦の太鼓」という演目をみてきたのですが、その後、前にご紹介した雑誌「考える人」をパラパラとめくっていましたところ山内昌之さんという東大の先生の記事に「甲子夜話(かっしやわ)」と言う江戸時代末期に書かれた随筆のことが書いてありました。

無知な私は題名すら初めて聞いたのですが、正続それぞれ百巻、三編七十八巻という大部のこの本の作者が松浦静山と言って、幕末の肥前平戸藩の藩主だった人なんですね。そしてその静山の五代前の藩主が、そうあのお芝居の松浦侯、松浦鎮信(しずのぶ)だったのです。

へっ!?実在の人物だったの?知らなかったわ~。
もちろん、お芝居の話はでっち上げでしょうけど、Wikipediaで調べてみたら山鹿流を学んだのもどうやら本当らしく、茶人としても有名な(鎮信流というのがいまでもあるそうな)文化人だったそうで。
鎮信と言い、静山と言い、平戸のお殿様は文化教養のある人が多かったんでしょうか。
ちなみにお芝居では「まつうら」ですが本当は「まつら」と読むのが正しいそうです。
なんだかひょんなところでお芝居と現実がつながって、ちょっと楽しい気分になりました。
いわゆるシンクロニシティって奴でしょうか。

「甲子夜話」は山内先生お気に入りの本だそうで、面白そうなのでいつか読んでみたくなりました。
東洋文庫で出てたみたいなんですが、現代語訳じゃないと私には無理だな~。

甲子夜話 1 (東洋文庫 306)

  • 作者: 松浦 静山
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 1977/04
  • メディア: 新書