本?漫画? この頃の読書から [読書]
和田誠さんの絵は、ユーモアがあって暖かくて好きですね~。
この本は、毎日新聞の書評欄に連載されていた一コマ漫画集。どれも読書をテーマに、一ひねりしてあったり、ほのぼのしたり、ニンマリしたり、楽しい絵ばかり。
前の「雪沼とその周辺」の続きのような雰囲気の、連作短編集。ほんのり暖かく、でもちょっと哀しい、どこにでもいそうな人たちの日常の、ふとした出来事。この本では、子供が多く出てくるのが特徴かな。ちょっと寂しい子供達を見つめる作者の眼差しが優しい。
「停電の夜」「その名にちなんで」に続く最新刊。アメリカに暮らすインド系移民の生活を描く点で変わりはない。その特異さを強調するわけでなく、むしろ淡々と描く生活ぶりに、インド人の強さやしたたかさを感じる。
「素晴らしい新世界」で描かれた一種理想的な家族が危機に陥ってしまう冒頭から、一体どうしちゃったんだろう、とハラハラするけれど、社会と個人の新しいつながり方をそれぞれに模索していく夫婦が、最後は同じところに緩やかに着地する様子が、読者に希望を与えてくれる池澤さんらしい小説。
文楽好きとしては、一種のバック・ステージもののようにも読め、また有名な文楽作品の解説としても読める。小説として優れているかはわからないけど、登場する大夫や三味線弾きなどのモデルはあの人かしらん、などと思わず想像しながら読むと滅茶苦茶楽しい。
アフリカの日々/やし酒飲み(世界文学全集1-8) (世界文学全集 1-8)
- 作者: イサク・ディネセン
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2008/06/11
- メディア: ハードカバー
確か昔メリル・ストリーブとロバート・レッドフォードの主演で映画化された「愛と哀しみの果て」の原作なんだけど、映画は二人のロマンスに的を絞った感じなのに対し、原作はもっと主人公(作者本人)とアフリカの自然や現地の人々との関わりを中心としていて、特に現地の使用人らに対する作者の態度に見下した様子がなく、彼らの尊厳を認めている様子なのが当時(20世紀初頭)としては珍しい気がして面白い。雄大なアフリカの自然の描写も素晴らしく、いつかアフリカに行ってみたいなあ、という気がした。
浜田省吾ファンには、Fairlifeの春蘭さんとして知られる人の小説。正直言うと、話ができすぎていて小説としていい作品だとは思わなかったけれど、出てくるお料理は本当に美味しそうで、こんなレストランがほんとにあったら一度行ってみたいなあ、とは思いました。春蘭さんは実際にお料理が得意なんですよね。
アフリカの日々、映画は見てたんですが、原作は読んだことがありませんでした。mamiさんの記事で、読みたくてたまらなくなったわ!原題が「Out of Africa」だと思うのですが、その「Out」の意味はどのあたりなのか、気になっています。結局アフリカに同化はできなかったというような意味なのかと思っていましたが、深読みかしら?
下の、2つの美術展、絶対行ってみたいものです。わかりやすいレビューでした^^
by palette (2009-03-10 00:29)
paletteさん、こんばんは。nice!とコメントありがとうございます。
「アフリカの日々」は、題名通り作者がアフリカで過ごした日々を綴った、小説というよりルポのような作品で、でも堅苦しくもなくて楽しく読めました。お薦めですよ。
主人公と彼(R.レッドフォードが演じてた人)との関係は、この本の中では単に親しい友人という書き方しかしていなくて、映画を見てから読むとちょっと肩透かしかも?(笑)
ああ、そういえば「Out」の意味はちょっと解らなかったですねえ。
展覧会もお時間があったらぜひ足を運んで下さいね。「三井寺展」は会期末が迫ってますのでお早めにどうぞ!
by mami (2009-03-10 22:48)