もう年内は更新できないかと思いましたが、実家に帰っていて思いの外暇なので(笑)、えらそうですが今年の「みみずく通信的ハイライト」なぞやってみようかと思います。

歌舞伎ではこの1月から始まった「歌舞伎座さよなら公演」でいつも以上に力の入った芝居が多く観られました。中でも心に残っているのは
・1月の「対面」の吉右衛門の五郎
・2月の同じく吉右衛門の「勧進帳」の弁慶
・6月の仁左衛門の「女殺油地獄」の与兵衛
・10月の吉右衛門と菊五郎の「義経千本桜」

播磨屋びいきなのでどうしても吉右衛門が多くなってしまうのはお許しいただきたいですが(笑)、贔屓目を差っ引いてもこの三人が今の歌舞伎を担っている感を強くしたこの一年でした。つくづく思うに、この人たちが働き盛りの今歌舞伎座が閉館になってしまうのが本当にもったいない気がします。
他にも藤十郎のますますの健在ぶりもうれしいし、三津五郎、梅玉などの充実も心強く思いました。

若手では七之助に奨励賞といった感じ。コクーンの桜姫は予想外の収穫。
新人賞は梅玉さんの部屋子の梅丸君。10月国立での人形役、12月顔見世での「土蜘蛛」の太刀持ちなど、大きなお役が増えて立派にこなしていて先が楽しみ。可愛いし(笑)。

番外として、本公演ではありませんが5月の「矢車会」での富十郎の弁慶もまさに渾身の舞台で、3階席とはいえあの場にいられた幸せを忘れられません。

文楽は、大阪の国立文楽劇場が開場25周年ということで今年は記念公演をやっていて、4月の「義経千本桜」通し上演がさすがに総力を上げてといった趣で見ごたえがあり、特に文雀さんの典侍局が素晴らしかったです。勘十郎さんの立役・女形両方での活躍ぶりも目を見張るものがありました。咲大夫さんの切場語り昇格は遅いくらいでしたが、これからのご活躍が楽しみ。

展覧会で見応えがあったのは
・妙心寺展
・ゴーギャン展
・皇室の至宝展(特に第I期)
などなど。あ、「阿修羅展」もありました。今年はお寺の宝物展が多かったですね。

コンサートはそんなにたくさん行ってないのでなんですが、
ポピュラーでは
・渡辺香津美と吉田美奈子のジャンルを越えたコラボの面白さを堪能したライヴ
・ミッシェル・カミロのあっけにとられるようなテクニックにびっくりのライヴ

クラシックでは
・庄司沙矢香の一段と成長した様子に感心したリサイタル
・復活に心からおめでとうといいたい白井光子のリサイタル

をそれぞれあげておきます。どちらの部門も日本人アーティストの活躍がうれしい。

そんなこんなで今年もいろいろ見たなあ。ほんというと、もうちょっとクラシックの演奏会にも行きたいけれど。
来年はいよいよ歌舞伎座が4月いっぱいで閉館になります。それまでにどんな名舞台が観られるでしょうか。

ということで、今度こそ本当に今年最後の記事です。
今年も勝手気ままな記事をお読みいただいてありがとうございました。来年も出来る限り続けていこうと思っていますので、よろしければお付き合いくださいませ。コメントもお気軽にお書きいただけるとうれしいです。
それでは皆様、どうぞ良いお年を。