上野の森美術館(終了)
http://www.escher.jp/

いわゆるだまし絵で知られるエッシャー(1898-1972)の大回顧展。
私もだまし絵しか知らなかったが、今回は聖書を題材にした絵や、風景画、人物画などもあって、へえ、と新鮮だった。


《バベルの塔》1928年


《カストロヴァルヴァ、アブルッツィ地方》1930年
どちらも別にだまし絵ではないのだが、どこか不思議な感覚が。シュールレアリスムなんだろうか。


《椅子に座っている自画像》1920年
人物画もある。これはちょっとヴァロットンの作品を思い出した。他の作品に比べて人物画は描線があまり細かくなく線がくっきりしている印象。

もちろん、エッシャーといえば、と言う不思議な構造の絵や、だんだん変容していくシリーズもたっぷり。

《滝》1961年
う~ん、何度見ても不思議。どうやって考え出すんだろう。


《メタモルフォーゼⅡ》(部分)1939-1940年
これは長い長い絵の一部分。文字通り変容して循環する。

今回、まとめてエッシャーの作品を初めてちゃんと見て、デザインや発想の特異さと共に、版画の技術の高さ多様さに改めて驚いた。驚異的に精密な彫りの技術などまさに開いた口が塞がらないレベル。
面白い展覧会だった。