三井記念美術館
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/
毎年この時期に展示される応挙の雪松図屏風と合わせての展覧会、今年は花鳥図。

まずは茶道具。牡丹の浮き彫りの青磁の花入れ、仁清の鶏の形の香合、銘が鵺という赤楽茶碗、などが並ぶ。


仁清
色絵鶏香合
仁清らしい、色鮮やかで可愛い香合。

絵画では伝牧谿作の蓮燕図が当館の花鳥図ではいちばん古いとか。今回の目玉としては渡辺始興の鳥類真写図巻約17メートルを全図展示。まさに図鑑の写実的な描写の細かさに舌を巻く。

個人的に目を奪われたのは沈南蘋の花鳥図。鳥や花の清冽な描写が実に美しい。

「松樹双鶴図」(花鳥動物図の内)

工芸品ではこういうのも。

柴田是真作
「稲菊蒔絵鶴卵盃」1対 
鶴の卵の殻のうち側には金を、外側に蒔絵を施したもの。鶴はおめでたい鳥だし、なんとも品がよくて美しい。
この作品の他にも鳥の卵を加工したものはあって、鶴の他に孔雀の卵などもあった。大名家の庭で飼われていた鳥の卵、と言う由来のものも。


土佐光起
鶉図
小品ながら品の良い一枚。鶉は何故か絵や器の柄に昔からよく描かれる。そんなに色が美しい鳥でもないと思うが。。。

応挙では雪松図屏風の他にこれも。

蓬莱山・竹鶴図 
さすがの精緻な描写。

さらに面白かったのは、三井家のご当主らの作品もあって、どれも玄人はだし。中には専門家さながら鳥を飼って鳥博士みたいだった人もいたらしい。さすが商人でも名家となると文化水準も高いのね、という感じ。