11月28日(月) 国立新美術館
http://american2011.jp/


この秋は忙しくてなかなか展覧会に足を運べなかったが、月末やっと時間ができて二日連続で美術館へ。
前日のゴヤと打って変わって、こちらは19~20世紀のアメリカ絵画展。

アメリカ人の画家。って言われても、すぐに名前が出てくるほど有名な人って、いる?
思った通り、出品されていた画家のうち、名前だけでも知っていたのは2割くらいしかいなかった。
展示はほぼ年代順なのだが、19世紀後半の、印象派に影響を受けたとか言う作品などは正直言ってあまりレベルも高くなく、日曜画家の域を出ていない。

20世紀に入っても、例えばキュビズムなどのヨーロッパ美術の流れを取り入れた作品が出てくるが、それもどこかしっくり身についていない感じ。例えば日本の明治大正の洋画家の油絵を見るのに似た感覚を覚えた。一生懸命真似ている、と言うか。自分のものになっていないもどかしさと言うか。

ああ、そうか。
アメリカも、美術や音楽など芸術の分野では、ヨーロッパから輸入して学ぶ立場だったという点では日本と大して変わらなかったんだね。
なんてことを生意気ながら考えてしまった展覧会。

これがモダン・アートでなく、ポップ・アートになれば、逆にアメリカが主流となってアートシーンの先頭に躍り出ることになるんだが、今回の展覧会ではウォーホールなどはないからそこまで行かない。
ちょっと不思議な、「アメリカが生徒だった頃」の絵を観たという感じにとどまった。

と言って、心に残る絵がなかったわけではない。


ジョージア・オキーフ「葉のかたち」(1924)
オキーフって、もっと最近の人だと思ってた!と言うくらいモダンな感覚の不思議な絵。オキーフの描く花ってエロティックなんだなあ。


ジェイコブ・ローレンス「大移動」シリーズよりNo.3 (1940-41)
これなんかはとてもアメリカっぽい空気を感じた。描かれているのが黒人だからと言うのではなく、様式が独特で、南部の暑くて埃っぽい風が吹き付けるよう。


サム・フランシス「ブルー」(1958)
今回いちばん気に入ったのはこれ。抽象的だが色合いが綺麗。フランシスは好きな画家。

来年はジャクソン・ポロックの回顧展がある。こちらも楽しみ。