8月24日 三井記念美術館
特別展「平城遷都1300年記念 奈良の古寺と仏像 ~會津八一のうたにのせて~」
http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.html


今年は平城遷都1300年ということで、奈良はもとよりいろいろなところで記念行事がある模様。この展覧会もその一つ。東大寺、法隆寺を始めとする奈良の有名寺院からたくさんの仏様を展示している。

始めの展示室には小さな仏像が並ぶ。貴人が念持仏としたのだろう、机の上に置けるようなサイズ。お寺ではこういうのはたとえ公開していても間近でじっくる観るのは難しいので、こうした展覧会で明るいところで観られるのは貴重な機会。


岡寺「菩薩半跏像」
この時代、半跏像が多いのも特徴。本当にこのポーズをするとかなり不自然なんだけど、仏像になるとすらっとなでやかな体の線が美しい。


法隆寺「観音菩薩立像」(チラシの写真も)
俗に「夢違観音」と知られる。悪い夢を見たときにこの仏様に祈ると良い夢に変えて下さるという。奈良時代の仏像らしい、おおらかで優しげなお顔がきれい。


東大寺「五劫思惟阿弥陀如来像」
この頭がちょっと笑っちゃうくらい迫力。「五劫」というのはとんでもなく長い時間のことで、その間修行している間に髪が伸びたことを表しているという。発想が面白い。

このほか、展示されているのは興福寺、唐招提寺、室生寺等々奈良の名だたるお寺の仏様たち。
会場が会場なので、あまり大きな仏像は来ていないが、たとえ奈良に行ってもこれだけたくさんの仏像を拝むのは難しい。仏像以外にも、厨子や錫など仏教工芸品も展示されている。

また今回の展示では、美術史家で歌人の會津八一が奈良の寺でらで読んだ歌を一緒に展示している。短歌に疎いのでよくわからないが、ひらがな表記の平明な歌は、奈良の古寺ののどかな景色に似つかわしい。

まだまだ暑い日が続く中、涼しい美術館でひんやりとした仏様を拝むのも素敵な時間の過ごし方かと思います。