11月16日 江戸東京博物館

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国立劇場の歌舞伎を見終わったのが2時頃で、まだ時間に余裕があったので両国へ回る。
上野の美術館ほど混んでないだろうと目論んだのだが、どうしてどうして、こちらもなかなかの人だった。しかも結構老若男女いろいろ。やっぱり日曜の美術館はどこもゆっくり見るのは難しいですね。

この頃大がかりな浮世絵展はみな海外からの里帰り。今回のもボストン美術館のもので、これまで非公開だったのがほとんどだそうで、保存状態が非常にいいのが特徴。
赤や黄色系の微妙な色彩や、褪色しやすい紫なども良く残っており、作成当時をしのばせるものも多い。

展示作品は初期の鳥居清倍から錦絵を確立させた鈴木春信、美人画の一時代を築いた喜多川歌麿、役者絵の代表絵師東洲斎写楽と言ったおなじみの大家の絵を揃えていて見応え十分。

鈴木春信 《寄菊》

そんな中では礒田湖龍斎と言う名前は寡聞にして初めて見たが、遊女の着物の柄の雛形として描かれたという「雛形若菜の初模様」の連作が美しさで目を引いた。こういう遊女の絵は、当時は今で言うプロマイドだったのね。

礒田湖龍斎(1735?~?)《雛形若菜の初模様 がくたはらや内 れん山》

美人画の他に、もちろん北斎の「冨嶽三十六景」や広重の「東海道五拾三次」シリーズもあり、浮世絵の流れが一望できる。
数は少ないが肉筆画もあり、こちらも色の美しさに感嘆する。
これだけの良品をまとめて見られるのは滅多にないこと。ぜひご覧下さい。

なお、この展覧会の公式HPでは歌舞伎役者の市川亀治郎が自分のお薦め作品の紹介などをしている。亀ちゃんファンは要チェック。亀ちゃん、浮世絵コレクターなんだそうですね。知りませんでした。