5月6日
GWは大阪に帰省。
元来出無精なのと、人込み嫌いなので連休中の観光地になど近づく気にもなれないのだが、せっかくの休みに家でぶらぶらしてるだけというのもやはりもったいない気がして、意を決して〔と言うのは大げさだが〕京都まで出かけることに。

まず目指したのは岩倉の実相院。
ここは秋の紅葉で名高いところで一度は行ってみたいと思っていたがまだ果たせず、新緑の頃も好いと聞いて訪ねてみた。
(写真は全部携帯カメラなのであまり綺麗じゃないが、雰囲気だけでもお伝えできれば)

建物自体はそんなに大きなものではない。開基は1229年と言うからかなり由緒ある門蹟寺院で、現在の建物は1720年に大宮御所のものを賜ったとパンフレットに書いてあるのでそれを何年か遡ることになるのだろう。狩野派などの襖絵も公開されていたが、いささか傷みがひどく保存状況が少し心配ではある。

だがここの見ものは建物よりお庭で、さして広いわけではないが植木のほとんどが楓と言うのはある意味潔いほどで、それは紅葉の季節には素晴らしいことだろう。
だが紅葉ではなく新緑の楓の美しさも立派なもので、まさに滴るような緑、燃えるような緑〔と言うのはおかしな表現だが〕で、惚れ惚れと見入ってしまった。


ここで有名なのが「床紅葉」と言って、黒光りする木の床に庭の紅葉が赤く映るさまだが、それがこの季節には「床緑」となるのである。
残念ながら室内は撮影禁止なのでパンフレットの写真を見ていただきたいが、さすがにここまではっきりとは見えなかったが十分美しく拝見できて感動した。


拝観客も意外に少なく、聞こえるのは風にそよぐ木々の葉の揺れる音、時折鳴く鳥の声、と言う静かな中でじっとお庭を見ていると、まさに緑に自分が染まっていくようで本当に心が安らぐ気持ちがした。
泉水庭園と反対側には石庭も。借景は奥比叡。
いつか紅葉も拝見したいけれど、その頃はこの日のように心静かには見られないんだろうな、と思うとちょっと残念。