江戸東京博物館
http://www.tbs.co.jp/kremlin2007/index-j.html

モスクワのクレムリン博物館所蔵の、歴代ロシア皇帝縁の品を展示する珍しい展覧会。
大まかなロシアの歴史をたどりながら、装飾品、絵画、衣服などを観ることができる。

特に素晴らしいのは宗教関係のもので、ローマカトリックと離れて独自の発展を遂げたロシア正教の儀式に使われた聖具や、イコンの豪華さが目を引く。特にイコンの、聖母子などの顔の周りを宝石で飾ったものの細工の美しさにはうっとり。他の宝飾品もそうだが、とにかく大粒の宝石を惜しげもなく使っている。どれも、ロシア皇帝の絶大な権力を見せつけられるようだ。

出品作品の目玉は「クレムリンエッグ」と呼ばれる、復活祭にちなんで作られた卵形の装飾品(チラシの写真のもの)。建物の壁面の石積までそっくりに作られたそれは精緻な細工が驚異的。

ロシアは、ピョートル大帝にしてもエカテリーナ2世にしても、辺境の地から脱してなんとかヨーロッパの一員と認められたくて、西欧の文化芸術を取り入れたのだけれど、こうしてみるとやはりロシア独自の芸術品の方が断然魅力的。特有の文化は大事にしないとね、と感じた展覧会でもあった。

なお、会場ではクレムリンの中のウスペンスキー大聖堂内部をヴィデオで見せてくれるコーナーもある。イコンがびっしり飾られた様子は圧倒的。でもちょっと目が回りそうだった(笑)。