大倉集古館


昭和5年にローマで開催された「日本美術展覧会」の出品作を中心に、同時代の日本画家の作品を展示。
このローマ展は、横山大観、菱田春草ら日本美術院の画家だけでなく川合玉堂、竹内栖鳳ら官展系の画家たちも含む総勢80名が参加した、当時の日本画壇における一大プロジェクト。この展覧会を経済面で支援したのが大倉喜七郎。と言うわけでこの美術館とも関わりが深いのだ。と言うか、出品作のかなりはここの館蔵品になっている模様。


大観が描いたローマ展のポスター

菱田春草「かけす」
春草のこういう木や葉を描いた絵が好き。色数を抑えた表現が品が良くて。


橋本関雪「暖日」
猫!ふわふわ。


小林古径「木菟図」
ちょっとマンガみたいな木菟。

大観はおなじみの富士の画などが。大作「夜桜」は展示替えで拝見できず。
代わりに見られたのはこれ。


鏑木清方「七夕」
これは左隻。苧環や琴など七夕の設えが見える。

中にはローマ展に参加した人々の写真などもあり。大倉が誂えた関係者の揃の法被もあった。

見たことがある絵が多いのは、毎年夏にホテルオークラでやっていた美術展に出品されていたものがあるから。「七夕」もそうだし。そうか大倉集古館の所蔵品だったんだな。

ちなみにこのローマ展のために大倉喜七郎は「現在のお金で50億から100億は使ったのではないでしょうか」だそうである。この時代の財閥の財力は桁違い。

出品数はそんなに多くないけど、タイトル通り近代日本画の中枢だった画家の作品が並んで見応えあった。