9月28日(月) サントリーホール

モーツァルト : ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K491
マーラー : 交響曲第4番 ト長調

指揮 ベルナルト・ハイティンク
ピアノ:マレイ・ペライア
ソプラノ: アンナ・ルチア・リヒター
ロンドン交響楽団

御年86才の巨匠、ハイティンクが3年ぶりに来日した。前回と同じLSOを率いて。前回、もう最後かもしれない、と思ったので、また聴けると言うだけで嬉しかったが、演奏は前を上回る素晴らしさだった。

まずはペライアをソリストにモーツァルト。ペライアはまさに天上の音楽と言った響き。美しく優しく儚く心に染みる。控えめで透明なハーモニーのLSO管セクションが好サポート。端正なハイティンクの指揮もモーツァルトにふさわしく、清潔な美しさ。

休憩を挟んで後半はマーラー。私はあんまりマーラーは好きじゃないし、詳しくもない。でも、聴いていて涙が出そうになった。
ハイティンクは曲の諧謔性は抑えつつも 枯淡とも違う、ふくよかで端正で清潔な表情を作り出した。応えるオケも管の美音、弦の晴れやかさでとにかく美しい音楽。ソプラノのリヒターも清らかな美声で華を添える。
こんなに美しいマーラー聴いたことない。心が洗われるよう。ただただ聴き入った。まさに魂が震えるような名演。音楽に酔いしれるとはこのことか。幸福な時間に感謝あるのみ。

アンコールはなかったが、団員が引っ込んだ後も立ち去りがたく、多くの人が拍手を送ったらハイティンクさんはもう一度出てきてくれた。ただただ、ありがとうございましたという気持ちでいっぱいだった。
また来日して下さってありがとう。どうぞお元気で、また来て下さい。