11月7日(金) サントリーホール

ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団
指揮: アントニオ・パッパーノ
チェロ: マリオ・ブルネロ

プログラム
ヴェルディ: オペラ「ルイザ・ミラー」序曲
ドヴォルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
アンコール
  ビナレック: アルメニア民謡
  J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012から ガヴォット

 ブラームス: 交響曲第2番 ニ長調 op.73
アンコール
 ヴェルディ: オペラ「運命の力」序曲
 ポンキエッリ: 「ラ・ジョコンダ」から 時の踊り

オケも指揮者も、初めて聞く。もちろん名前は知ってたけど。イタリアのオケはスカラ座のオケしか聞いたことなかった。このコンサートもブルネロ目当てで行ったので、実はそんなに期待していなかったのだが、いやあ、びっくり。素晴らしい演奏会だった。

《ルイザ・ミラー》から既にエンジンのかかった輝かしい音色。ほほう。

ドヴォルザークのコンチェルトは明朗で粒の立った音色のオケとブルネロの豊潤でよく歌うソロがよく合って、なんとも気持ちの良い演奏。スケールの大きな、名演と言うより快演と言った方が似合うような、本当に気持ちのよい演奏。オケのクラリネットとフルートのソロは特筆。

アンコールでは、珍しいビナレックの アルメニア民謡と言う曲。これは、チェロのソロに、オケのチェロパートが伴奏で附くというチェロだけのアンサンブルというちょっと面白い曲だった。

ブラームスも良かった。
パッパーノは音楽のボジティヴな面を全面的に引き出す上手さがある。聴いてて物凄い快感!オケも応えて管のまろやかで豊かな音、弦の爽快な響きと聞き所満載。こんなに快活で清明なブラームスがイタリアのオケで聴けるなんて!
ほんとに素晴らしかった。パッパーノ、次世代をリードする指揮者かも。

でもこの日のハイライトはアンコールの「運命の力」だったかも。まさに水を得た魚のよう。ノリノリ、豪勢で血のたぎるヴェルディ!うん、ムーティとスカラを思い出す。ムーティのオケをコントロールする緻密さにはまだ及ばないけどとにかくエネルギッシュ!生で聴く醍醐味に酔う。

とにかく、オケがのびのび、生き生きと良く歌う。ドイツの名門オケのような分厚さはなく、お国柄か、カラッと爽快な音色と演奏。こんなに聞いていてワクワクと心躍るような演奏は滅多にない。なんだか凄く得した気分。ああ、楽しかった!って思える演奏会ってそうはない。今度来たら、また絶対聴きに行こう、と思う演奏だった。


ドヴォルザーク:交響曲第9番&チェロ協奏曲

  • アーティスト: ドヴォルザーク,パッパーノ(アントニオ),ローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団,ブルネロ(マリオ)
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/08/27
  • メディア: CD



ロッシーニ:序曲集

  • アーティスト: パッパーノ(アントニオ),ロッシーニ,サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2014/10/22
  • メディア: CD