1月29日(日) 東京国立博物館

http://www.kokyu200.jp/

至宝と言われる「清明上河図」が大人気で、初日からずっと3時間待ちとか4時間待ちとか言う恐ろしい情報が流れてきて、根性のない私はそこまでして観なくて良いわ~、と思ってあきらめていたが、その展示期間が先週で終わり、やっと普通の展覧会並みの混み具合になったと聞いて出かけてみた。
日曜の夕方に行ったが、確かに普通の日曜の混雑に落ち着いていた。

日中国交正常化40周年を記念しての開催とかで、北京故宮博物院から選りすぐりの名品200点が出品とのこと。北京までは行けそうにないから、これは観ておかないとね。

二部構成で第一部は「故宮博物院の至宝」として、文字通り歴代皇帝が集めた美術品の名品がずらり。書、絵画、陶磁などどれもさすがというものばかりだが、いちばん見とれたのは書跡。もちろん読めないのだが、なんか凄いぞ、と言う感じがびしびし伝わる。


「草書諸上座帖巻(しょうしょしょじょうざじょうかん)」(部分) 黄庭堅(こうていけん) 北宋時代・元符2-3年(1099-1100)頃

ね、面白いでしょう?楷書と違ってとても自由。ほとんど絵のよう。
もちろん、行書、楷書などの美しいものもいっぱい。
こういうの読めたらもっと楽しいんだろうけどなあ。

陶磁器も綺麗。

「青花唐草文有蓋壺(せいかからくさもんゆうがいこ)」
(明時代、宣徳年間[1426~35年])
青花というのは染め付けとは又違うのかな。技法に詳しくないからよくわからないけど、白い生地に藍色の模様がとても綺麗だった。


張成(ちょうせい)「梔子堆朱盆(くちなしついしゅぼん)」(元時代、14世紀)
これは漆。木彫じゃないですよ。厚く塗り重ねた漆を彫ったものでものすごい名人芸。色も品があって綺麗。

他にも琺瑯(ほうろう)と言って七宝焼きのようなものや、玉を使った飾り物など溜息が出るような美品がずらり。

第2部は「清朝宮廷文化の精粋」として、清朝皇帝の礼装や宗教、行事にまつわるものなど。

「乾隆帝像」(部分) 清時代・18世紀
展示品にはこの衣装そのものもあり、絢爛。刺繍やビーズ、珊瑚、真珠などで飾られている。
こういうのを観ると、映画「ラストエンペラー」思い出すなあ。この他にも皇帝の謁見の場面(?)を描いた絵巻物のようなのがあって、これなんかまさにラストエンペラーの冒頭部分そのまま!おお~、と思ってしまった。

最後はかなり駆け足になってしまって、細かいところをよく観られなくて残念だったが、十分楽しかった。

なお、かの「清明上河図」はレプリカを展示。そのうえ、スクリーンで細部アップの画像が見られたり親切。何時間も並ばなくても、私はこれで満足でした。とても細かい絵で、町の人々が生き生き描かれているのだけど、これを見ていたら北斎などの絵を思い浮かべた。