11月28日(日)
出光美術館
http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/point.html


山種美術館は、出品数がそう多くないのでじっくり見ても1時間かからずさくっと観られ、まだ時間に余裕があったので出光美術館へ移動。
こちらは器の展覧会。シリーズで「やきものに親しむ VIII」となる。今回は特に中国は福建省の窯で焼かれた作品を特集して、日本の茶道具として用いられたものにスポットを当てている。

福建だけでなく、有名な景徳鎮の青磁や、珍品として珍重された天目茶碗、さらに日本の茶道が発達する中で名物とされた唐物の茶入れ、そして呉州赤絵の皿など。

対象をかなり絞ったせいか、正直言って素人目にも「おお~」というような名品はあまりなかった。同じ出光の展覧会でこの冬にあった「麗しのうつわ」展は日本の名器をずらりと並べてそれはそれは素晴らしかったが、あれに比べると地味というか、通な方、あるいは茶の道に造詣の深い人向けとでも言おうか。
いちばんの名品は国宝の「油滴天目茶碗」だが、これは東洋陶磁美術館からの特別出品だし。
また、呉州赤絵は、大胆でおおらかな絵付けが魅力だが、有田や鍋島の精緻な絵付けに比べるとなんだか稚拙にさえ見えてしまい、私などはどこが良いのかよくわかんないな~、と思ってしまった。
もちろん、観る人が観れば名品なのだろうけれど。

と、ちょっとネガティブな感想になってしまったが、帰りのエレベーターで乗り合わせたいかにもお茶をやっていそうなお着物姿のご婦人二人連れは「良かったわねえ」と仰っていたので、あくまで私の心に響かなかったと言うことで、ご勘弁下さい。焼きものの目利きにはなれそうにないな。

帰りはてくてく歩いて東京駅へ。丸ビルのロビーに大きなクリスマス・ツリーがあって綺麗。コンサートでもやるのか、ピアノもおいてあったけど、演奏が始まる前に退散。