5月4日
大阪市立美術館
http://www.city.osaka.lg.jp/museum/page/0000068285.html



GW中だが意外に空いていた。まあこの時期、京阪神では等伯展にルノワール展、トリノ・エジプト展といった大型企画展が目白押しだから、この展覧会はちょっと影が薄いのかもしれない。

これは、大阪の豪商、鴻池家が収集していた扇絵のコレクションから名品を展示するもの。そのコレクションの多くが現在東京の太田記念美術館に所蔵されているそうで、今年が同美術館開館30周年なのを記念しての展覧会だとか。ということは、いずれそちらでも開催されるのかしら。

内容はとても充実していて、琳派の鈴木基一、酒井抱一らから、狩野派、土佐派、浮世絵の北斎や国定、さらに応挙などの丸山派、四条派、はたまた画家ではないが宝井其角や山東京伝などの作品もあり、百花繚乱といった様子。およそ江戸時代以降名の知られた画家たちのほとんどの作品があると言ってもいいくらい。



屏風や襖などに比べて、当然扇は面積が小さい。だがその限られた大きさと形の中に画家たちがそれぞれの技を詰め込むように描いた扇絵は、小さいながらも日本画の粋が凝縮されているようで、ある種小気味よさが感じられる。

また、このコレクションを主に集めた鴻池家11代目善右衛門氏は余程扇のモチーフがお好きだったらしく、図柄に扇をあしらった永楽焼も作らせていて、こちらも豪華。

派手さはないが、一つ一つじっくり見たい展覧会。