「没後120年記念 絵画の冒険者 暁斎 Kyosai 近代にかける橋」
京都国立博物館
http://www.kyohaku.go.jp/jp/tenji/index.html

 
実相院を後にして、まだ時間があったので叡電と京阪電車を乗り継いで七条の博物館へ向かう。
実は叡電に乗ったのは初めてで、市電かと思うような2両編成の可愛い電車でのんびり走るのが、なんともいい雰囲気。

GW最後の日なので混んでいたら止めようかと思ったが、待ち時間10分と言うことなので並ぶことにした。

河鍋暁斎(1831~89)は江戸末期から明治にかけて活躍した画家。これまで何度か他の展覧会で数点の絵を見て、なんか変わった絵だな、とは思っていたがよくは知らなかった。
この展覧会、キャッチフレーズが「泣きたくなるほど、おもしろい」。普段お堅い国立博物館にしてはユニーク。
だがその言葉に嘘はなく、なんとも奇想天外な絵が並ぶ。


「地獄太夫と一休」一見美人画のようだが、よく見ると骸骨が…。

幼い頃から狩野派で絵の修行を積んだだけあって、絵の技量は同時代の誰にも劣らぬ確かなもの。その技術を駆使した普通の花鳥画や美人画のようなものももちろんあるのだが、目を引くのは妖怪変化や地獄の様子を想像力豊かに描いた数々の絵だろう。まさに異才、奇才というべきか。その発想の自由さには脱帽。水木しげるさんもお手本にしたんじゃないか、と言う感じ。


「美人観蛙戯図」遊女(?)が蛙を眺めている。蛙の表情が何とも面白い。


「新富座妖怪引幕〈仮名垣魯文贈〉」
幅17メートルにもなる引き幕を、暁斎はわずか4時間で描いたという。中央の「暫」のろくろ首は九世(?)團十郎だとか。


そのユニークさゆえにか、日本より海外で人気が高かったと言うのもうなずける。
残念ながら、他へは巡回しないらしい。かなり混んでいたが、観られてよかった。