国立新美術館
http://www.buehrle2018.jp/
 (行ってからだいぶ日がたってしまったので簡単に)

スイスの実業家ビュールレ氏のコレクション展。印象派展と謳っているが、実際は古いものは17世紀から、新しいものは20世紀抽象画まで幅広く紹介している。
一個人のコレクションというのが驚きなほど、レベルの高い作品ばかり。財力があってこそとはいえ、その選択眼もなかなかのもの。

肖像画のコーナーではフランス・ハルス、クールベやルノワール。
ヨーロッパの都市ではモネやカナレット。
19世紀フランス絵画コーナーではアングル、マネなど。
そして印象派ではシスレー、モネなど、そうそうたる画家の作品が並ぶ。

チラシ、ポスターにもなってメイン扱いされているのはこれ。

ルノワール《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
”絵画史上最高の美少女”などという謳い文句が付いているが確かに愛らしい。晩年のルノワールのぶくぶく太った女性像に比べると(笑)、清楚で品があって。

他では特にセザンヌとゴッホが一室ずつ与えられていた。

セザンヌ《赤いチョッキの少年》
よく見れば腕の長さなど、バランスがおかしいのだが不思議と気にならない。色使いがセザンヌらしい寒色系の中に少年の赤いチョッキが鮮やかに浮かび上がる。


ゴッホ《日没を背に種まく人》
ミレーの「種を撒く人」から着想を得たと言う作品だが、手前に大きく描かれた木など浮世絵の影響もはっきり感じられる。

印象派展といいつつ、新しいところではピカソやブラックなど20世紀中頃までのヨーロッパ絵画を俯瞰。ビュールレ氏の選択眼の良さを感じる展覧会。