東京国立博物館
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滋賀県甲賀市の天台宗の古刹、櫟野寺(らくやじ)に伝わる仏像の特別展。平安時代の仏像20体が全て重要文化財に指定されているという宝庫だが、寡聞にしてこのお寺の名前も初めて知った。どうして京からも奈良からも離れた甲賀にこんな立派な仏様がいらっしゃるのかしらと思ってしまう。


ご本尊は十一面観音菩薩坐像。本体だけで高さ3メートルを超す大きさに圧倒される。下膨れの量感あるお顔、どっしりとしたスタイル。光背や頭の飾りの美しさや頭上の十一面観音の表情の豊かさも目を引く。


観音菩薩立像
こちらも観音様。立像で、細身のスタイルに小顔、と上のご本尊とは趣は違うが美しい。衣紋の襞まで優美に表現されているのも素敵。


毘沙門天立像
これはまたどっしりとした量感があって、迫力のあるお姿。全体的に太めの体つきも親しみがわく。

全部で20体、同じ人または工房で作られたのか似た感じのも数体。10~12世紀、甲賀で仏教が盛んだったことを偲ばせる。

夜間開館時に行ったせいか、人も少なくてじっくり拝見できて、心が洗われるような気持ちになった。
甲賀までは滅多に行けないし、行けてもいつも公開しているわけでもない秘仏をこうして拝見できてありがたい。