1月30日(月) 森アーツセンターギャラリー


なんだか近年人気がうなぎ登りの国芳。なんだろう、前は北斎や写楽に比べるとそれほど名前を聞かなかった気がするのだけど。昨年が没後150年と言うことで、昨夏は太田記念美術館でも展覧会があったが、今回の方が大規模。それも前後期に分かれていて、残念ながら前期は見られなかったが後期に何とか足を運んだ。平日だけどなかなかの混雑で、人気をうかがわせた。

国芳の絵を他の浮世絵と比べていちばん違うのは、特に武者絵の躍動感だろうか。筋骨隆々の男達、はち切れそうな筋肉、はみ出しそうなパワー。もちろん、構図の斬新さとか、奇想天外な化け物や動物を配した想像力とかも面白すぎるくらい面白い。

それに、美人画もそうなのだが、武者絵も役者絵も、描かれた顔が現代でも通用しそうなイケメン顔。だいたい、浮世絵の役者絵なんて、今から観るとどこが男前?と思う顔が多いけど(まあ、写楽は論外ですが)、国芳のはちょっと昔のアニメの主人公っぽい顔なんだな。


「国芳もやう正札附現金男野晒伍助」
着物の柄も凄い。猫を集めて髑髏にしてある。ぶら下げた下駄も髑髏。男前だなあ。ね、なんか昔の漫画みたいでしょ。


チラシの絵は「坂田怪童丸」(前期展示)
迫力いっぱいなのに、なんか可愛い。


美人画も素敵。
「絵兄弟やさすかた」
魚をくわえて逃げ出す猫を捕まえて叱ってる娘さん。おきゃんで可愛いな。猫もユーモラス。


「きん魚づくし ぼんぼん」
こちらは金魚。金魚が歩いてる?しかもオタマジャクシの手を引いて!思わず顔がほころんでしまう。

とにかくどの絵も、理屈抜きに面白く楽しい。あっという間に時間が過ぎてしまう。
小難しいこと考えずに、絵で遊びたい展覧会。