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プーシキン美術館展 [美術]

東京都美術館
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http://pushkin2018.jp/

近代フランス絵画の宝庫プーシキン美術館から、風景画に的を絞っての展覧会。


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クロード・ロラン
《エウロペの掠奪》1655年
風景画は宗教画や神話世界の絵の背景から始まった。その名残を色濃く見せながら、古代の理想郷のような風景を描いたロラン。

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カミーユ・コロー
《夕暮れ》1892年以前
バルビゾン派を代表するコロー、実際の風景ではなく思い出の中の景色を絵にしたもの。豊かな緑がもやのようにけぶるコローらしい色合いの一枚。

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クロード・モネ
《草上の昼食》 1866年
風景画というより風俗画といった方が良いような気がするが、モネの若い頃の作品。スキャンダルとなったマネの同じタイトルの絵に影響を受けているのは確実。舞台はバルビゾンの近く。木漏れ日を受ける緑の濃淡に後の印象派の予兆が感じられる。

景色は森や田舎から、パリなどの都市の風景へ。さらに海外へと広がり、ついには想像上の景色が描かれる。
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ピエール・カリエ=ベルーズ
《パリのピガール広場》 1880-90年代頃
街を行く人々が生き生きと描かれ、ガス灯が登場する。風景に時代が見える。

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アンリ・ルソー
《馬を襲うジャガー》 1910年
実は一生フランスから出たことがなかったルソーは植物園に通って草木をスケッチしたとか。現実にはない情景が奇妙なリアリティを持って、物語を語る面白さ。

風景とひとことに言っても様々。古代世界から幻想世界まで、現地に行って見てみたいところ、行けないところ、どれも素敵で楽しい展覧会。
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