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香合百花繚乱 [美術]

根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/
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手のひらに載るような小さな器。中に香を入れる茶道具だが、わびさびのイメージが強い他の茶道具と違って、色も形も様々で素材も漆器から焼き物まで千差万別。はじめから香合として作られたものはもちろん、別のものの容器を流用したものもある。作る人、使う人のセンスがうかがわれる。

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堆黒屈輪文香合
木胎漆塗 中国・元時代 14世紀 
初期の香合は中国から渡ってきたものが中心。何層も漆を塗り重ねた後彫り出す手の込んだ仕事。渦巻き模様が美しい。

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黄瀬戸宝珠香合 美濃
施釉陶器 日本・桃山時代 16世紀
日本で茶道が盛んになるにつて、国内でも香合も作られていく。
何気ない形だがなんとも愛らしく、風合いある色も味わい深い一品。

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色絵ぶりぶり香合 野々村仁清作
施釉陶器 日本・江戸時代 17世紀
焼き物の香合と言ったら仁清。と言うくらい、色も形も凝ったものをたくさん作った仁清。
日本の焼き物には珍しい六角形、10センチあるかないかの大きさの中に松竹梅に鶴亀、と吉祥模様を詰め込んで、でも軽やかで美しい。仁清のデザイン力に脱帽。

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染付横唄香合 永楽保全作
施釉陶器 日本・江戸時代 19世紀
元は景徳鎮のものを京の永楽保全が写して作ったものだそう。横唄(よこばい)とは唄貝(ばいがい)を横にしたかたちのこと。こういう形が凝ったものも多いのが香合の楽しさ。

本当にいろいろな素材や形のものがあって、楽しい。
私はお茶はやらないけれど、この根津美術館や三井記念などで茶室のあつらえを見ると、茶碗や釜などの道具や掛け軸、そしてこういう香合を選ぶのは楽しいだろうな、と想像する。(まあ、選ぶほどたくさん道具を持っていれば、の話だけど)
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