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ルドン−秘密の花園展 [美術]

三菱一号館美術館
http://mimt.jp/redon/

メインに、ドムシー男爵の注文で男爵の城館の食堂の装飾画として描かれた15点の作品を据えた展覧会。その装飾画には当館のコレクションの売りの「グラン・ブーケ」も含まれていた。

オディロン・ルドン(1840-1916年)は、印象派の画家たちと同世代と言うのが意外なほど、独自の世界を築いた画家。今回の展覧会では初期から晩年まで回顧展にも近い内容でルドンの世界に触れることができる。
ルドンの作品には幻想的な、と言うかかなり不思議な感覚のモノクロの版画も人気で、今回もあったけど、どちらかというと中心は彩色画の方。
比較的初期の風景画などはこれまであまり見たことがなく、へえこんなのも描いてたのか、と新鮮。

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《ペイルルバードのポプラ》制作年不詳
これなんて、ちょっとモネか?と思うような。

でもルドンというとやはりこう言うのが思い浮かぶ。
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《眼をとじて》1900年以降
ルドンの描く人物はこんな風に眠っているのか目を閉じているのが多い気がする。花も色も美しい。

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[ドムシー男爵の城館の食堂壁画15枚のうち]
これが今回の目玉の装飾画。展示室ではほぼ当時の並びに再現されていた。(なのに、三菱一号館所蔵の「グラン・ブーケ」だけは別の部屋から動かさないのは、不合理だと思うが。。)
室内装飾だからか、「グラン・ブーケ」以外は色は比較的抑えめ。人物も描かれているが、植物がメインで華やかさより落ち着いた印象がかえって珍しい気も。でもどれもルドンらしい、幻想的なもやもやとして夢想の世界が広がる。こういう絵に囲まれて食事するのってどういう気分なのかな。

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《キャリバンの眠り》1895-1900年

ルドンの絵は描かれている人はもちろん、蝶や花さえもどこか夢と現実の間をさまよっているような感覚。そして見ている方もなんだか夢の世界に引き込まれていく。
まあ難しいことはわからなくても、なんとも不思議な感覚に捕らわれて楽しくなってくる。
そういう展覧会。
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