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ブリューゲル展 [美術]

東京都美術館
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ブリューゲル展 画家一族 150年の系譜
http://www.ntv.co.jp/brueghel/

去年からヒエロニムス・ボスの展覧会とか、バベルの塔展とか、なんとなくブリューゲルを見る機会が多い。今回はブリューゲル一族展として、16世紀フランドルに生まれたピーテル1世からひ孫までの一族の絵を一堂に集めたもの。

祖とも言えるピーテル1世は1525(30)~1569.改めて年紀を見ると意外に若死に。あの「バベルの塔」など晩年とはいえ40代の作と思うとその完成度に驚く。

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ピーテル・ブリューゲル1世と工房
キリストの復活 1563年頃

父、ピーテル1世がなくなったとき、息子のピーテル2世も、ヤン1世もまだ幼かった。二人は父の工房で父の画法を学び、父の絵のコピーも多く描いてそのおかげで父の絵が広まった。

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ピーテル・ブリューゲル2世
野外での婚礼の踊り 1610年頃
父ピーテル1世も書いた農民の風俗を息子の2世も繰り返し描いた。あけすけで、美化されてもいない農民達の様子が楽しげに描かれる。それまでの例えばイタリア・ルネッサンス絵画にはなかったジャンル。

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ヤン・ブリューゲル1世
ヤン・ブリューゲル2世
机上の花瓶に入ったチューリップと薔薇 1615-1620年頃
弟のヤン1世も、兄同様父の作品に倣ったが、とりわけ花の絵を得意として「花のブリューゲル」とも呼ばれた。この絵はその息子ヤン2世との共作。

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アブラハム・ブリューゲル
果物の静物がある風景 1670年
アブラハムはヤン2世の息子。

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ヤン・ファン・ケッセル1世
蝶、カブトムシ、コウモリの習作
蝶、カブトムシ、コウモリ、カマキリの習作 1659年
ヤン・ファン・ケッセル1世はヤン2世の甥。
アブラハムとヤン・ファン・ケッセル1世は従兄弟同士で、ピーテル1世からはひ孫に当たる。
大理石に描かれているのが珍しい。観察眼が素晴らしいのが血筋だろうか。

ひ孫の代まで一族がずっと画家というのは、西洋では珍しいのでは。日本では、狩野派みたいに養子取っても家業として画家ってあるけど。

ひ孫に至るまでそれぞれが非凡な描写力を持って、父祖から引き継いだ工房を守ってブリューゲル派とも言うべき画風を確立した、西洋画史上まれに見る一族ではないかしら。孫世代まではともかく、ひ孫となるとあまり見る機会もないので、貴重な展覧会。





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