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ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団 [音楽]

11月2日(水) サントリーホール

ベートーヴェン : ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61
       : 交響曲第5番 ハ短調 op.67 「運命」

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
ヴァイオリン:諏訪内晶子
バンベルク交響楽団

ブロムシュテットとバンベルク響の組み合わせを聞くのは4年ぶり。御年89歳のブロムシュテット、正直言ってまた聴けるとは思ってなかった。望外の喜びとはこのこと。

前半は諏訪内晶子のソロでベートーヴェンの協奏曲。諏訪内の美しく伸びやかな音がこの曲の抒情的なメロディーを際立たせてたおやかな響き。ブロムシュテットの指揮も端正で清潔で何とも美しい。とてもロマンティックなベートーヴェン。

もっとも諏訪内の音は綺麗すぎて上澄みのようで好みではないけど。もう一つ興趣がわかないというか。もうちょっと太い音色の方が好きなの。

後半は「運命」。
バンベルク響の音はよく鳴ってるのにうるさくないし、変な圧迫感もない。ノン・ヴィヴラート奏法のせいかとても自然で気持ちのいい音。音楽も押しつけがましさがなくて、それでいてメリハリはきっちり。運命第二楽章のメロディの受け渡しの楽しげなこと!そして第三楽章から第四楽章への入り口のスリリングな響きの変化。音楽の愉悦に満ちた空間が心地よかった!

バンベルク響って凄く上手いわけじゃないと思う。例えばベルリン・フィルやシカゴ響のような圧倒的な力はない。でもブロムシュテットの真摯で誠実な指揮にきちっと向き合って、とても密度の高い心に響く演奏。胸が熱くなって涙が出そうなくらい。

アンコールは「エグモント」序曲で、これがまたがっしりとした熱演。オケもどんどん乗ってきて、最後に何か解き放たれたような音で、ホールは熱気に包まれた。

ブロムシュテットはかくしゃくと言うのが失礼に思えるお元気さ。もちろん椅子など使わず。熱血とか若々しいとも違う、とにかく自然体の伸びやかさ。その背筋の伸びた音楽に対する誠実さ真剣さが温かく胸に響いて、ああ、音楽って良いな、ベートーヴェンって凄いなぁとしみじみ思えた。ただただブロムシュテットさんに感謝。どうぞお元気で、また素晴らしい演奏を聴かせて下さい。


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ユキタロウ

手元のブロムシュテットの録音を探すと、1981年11月のN響との初共演が一番古く、35年前の録音ながら全体の構成感と細部の彫琢の見事さが際立っています。以後何度このコンビで聞いてきたことか・・・。

89歳・・・・一期一会と思って接したいですね。
by ユキタロウ (2016-11-04 22:29) 

mami

ユキタロウさん、
ハイティンクさんとか、ブロムシュテットさんとか、今でも生で聴けることに感謝しかありません。正直、4年前ももうこれが最後かと思ってましたから。。。いつまでもお元気でまた来日していただきたいですね。
by mami (2016-11-05 23:33) 

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