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松竹座壽初春大歌舞伎 昼の部 [舞台]

1月4日(月) 

夜の部から一日おいて昼の部へ。三が日は過ぎたけど客足は上々の模様。

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一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
鳴神上人  片岡 愛之助
雲の絶間姫   中村 壱太郎

愛之助の鳴神は、10年に国立の鑑賞教室でやって以来。観たはずなんだけど、あまり覚えていない。
はじめは高潔なお上人様。でも近寄りがたいような感じじゃない、うぶな男。姫にころっと堕とされてからは愛嬌を見せ、最後は勇壮に怒り狂う。堕とされる場面もあまり下品にならず程の良い出来。
やればちゃんと出来る人なのよ。もっと歌舞伎やって~。

壱太郎の姫は綺麗だが、色気不足。特に鳴神が懐に手を入れるシーンなんかは、もっとエロい表情が見たい。そして知能犯が前面に出過ぎていて、上人を堕とそうとしている下心が見え見えなのはいかん。もうちょっと可愛げがほしい。

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二、枕獅子(まくらじし)
傾城弥生後に獅子の精  中村 扇雀

鏡獅子などの獅子ものの中でも最も古いものだそう。
前半は華麗な傾城。打ち掛け姿も艶やか。ん~、でも扇雀だと花魁と言うより大名の奥方みたいに見える。傾城の色気がなくて物堅い雰囲気が漂う。後半の獅子の方が、すっきりとして品格があり、勇壮さもあって良い。と言うのは女形としてはどうなのかな。。。

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三、らくだ
紙屑屋久六   市川 中車
らくだの宇之助  中村 亀鶴
家主幸兵衛   中村 寿治郎
女房おさい   片岡 松之助
やたけたの熊五郎   片岡 愛之助

約4年前の南座顔見世で、当時翫雀の久六と今回の顔ぶれでやっている。
中車には、上方言葉という高いハードルがあったが、そこは意外に上手くこなしていた。前半のおどおどと熊五郎の言いなりになっている様子が、哀れっぽくて可笑しい。
難しかったのは、後半酒が入ってだんだん人が変わってくるくだりの加減。まだ三日目だったから、愛之助との息ももう一つで、爆笑にいたらず。でも芝居勘のいい人だから、きっと今頃はずっと良くなってるだろうな。

愛之助は遊び人らしい強面な様子と強引さの中に人の善さが混じって、死体を踊らせるなんてめちゃくちゃをやる破天荒さが面白い。その人の良さがあるゆえに最後は久六と立場が逆転する可笑しさ。
今月四役で大奮闘の愛之助、しつこく言うが、もっと歌舞伎に出てほしい。

せっかく亀鶴出てるのに死体だなんて!でもこれが可笑しい。死体なのにちゃんと芝居してる。いや~、亀鶴さん良いわあ。
寿治郎と松之助の強欲大家夫婦が良い味。上方のベテラン健在は嬉しい。


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