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第九回 亀治郎の会 [舞台]

8月20日(土) 夜の部
国立劇場大劇場

九回目となる亀治郎の自主公演に初めて足を運んだ。特に亀ちゃん贔屓ではないが、去年までの評判が良かったのと、今月は演舞場の歌舞伎をパスしたので一回くらいは歌舞伎を観ておこうかな、と。
そんな程度なので席はいちばん安い席、後ろから2列目。見渡すと、1階はかなり埋まっていたが2,3階はだいぶ空いていた。去年まではいっぱい入っていたと言うから、なんでですかね。

演目は二つ。
一・蘆屋道満大内鑑 葛の葉
亀治郎の女房葛の葉・葛の葉姫、門之助の安倍保名、段四郎の信田庄司、竹三郎の妻柵

亀治郎久しぶりの古典での女形。女房の方でのしっとりとした様子が良い。じわりとにじむ色気があり、子供との別れを惜しみ嘆く様子に母親の情がたっぷりとあって上々。子供を抱いて筆を左手に持ったり、口にくわえたりしての注目の曲書きも、この数年観た役者の中ではトップクラスの巧さ。う~ん、大したもんだね、亀ちゃん。このところ立ち役も多いが、個人的には亀ちゃんのこういう役をもっと観たい、と改めて感じた。
ただ一つ惜しかったのは、本物の葛の葉姫として保名と対面するところが、笑顔が「ニンマリ」という感じで深窓のお姫様らしく見えなかった。やっぱりお姫様は苦手なんだ~。

門之助の保名も二枚目らしくすっきりした様子がぴったり。
段四郎の庄司に懐深さと落ち着きがありさすが。
竹三郎の柵も奥方らしい品と娘を気遣う優しい母親の雰囲気が上々。

二・博奕十王
亀治郎の博奕打、亀鶴の閻魔大王、弘太郎と猿四郎の獄卒
猿之助が40年前に初演した舞踊劇を、新たに猿之助自身が手直しして上演という。閻魔大王とその手下を、娑婆からやってきた博奕討ちがさいころや拳で負かして宝物から果ては極楽行きの手形まで巻き上げてしまうと言う爆笑劇。
葛の葉とは打って変わって、亀ちゃんやりたい放題、といった感じ。いやもちろん振りが付いてるんだが、本当に楽しそう。踊りが上手いのは今更言うまでもないが、切れがあり、生き生きとした伸びのある踊りが惚れ惚れするほど。そしてまた喜劇らしい可笑しさも十分で、愛嬌もあって、ほんとに楽しかった!

亀鶴の方は、それほどコメディアンというタイプではないが、大真面目に一生懸命やってる大王というのが逆におかしく、笑わせた。
弘太郎と猿四郎も大奮闘。

この演目、可笑しかったのは、後ろの長唄連中や後見まで、あの死人が頭につける三角の頭巾みたいなのを被っていたこと。附け打ちさんまで!凝ってましたねえ。

幕が下りた後、夜の部だけは亀治郎のトークが着くサービス。
葛の葉は京屋さんの型を京蔵さんに教えてもらったと。京蔵さんがそのことを伝えると雀右衛門さんが涙を流して喜んで下さったそうだ、とのこと。聞いていてこちらまでホロリと来ました。家の垣根を越えて芸が継承されていくのは嬉しいですね。
また、ここ数年どんなに忙しいかもよくわかった。でもね、言っちゃなんだがどうでも良いドラマとか出てないで、大歌舞伎にもっとでてほしいです。
タグ:亀治郎
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ぽにょ

どうでもよいドラマ

それはアナタの価値判断でしょ
そんなこと書かないで下さいよ
by ぽにょ (2011-08-26 08:53) 

mami

ぽにょさん、
個人的価値判断で感想を書くのがブログですよ。
他の人の考えが知りたくないなら、人のブログなんて覗かない方が良いです。皆が貴方と同じ見方ではないのです。
by mami (2011-08-26 09:11) 

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