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文楽鑑賞教室 [舞台]

12月6日(月)
国立劇場小劇場

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土日と会社の大きなイベントがあってくたくた。ほんとはこの日は休養に充てたかったのだが、他の日のチケットが取れなくて仕方なく。ただでも文楽は歌舞伎以上にチケット取りづらいけど、鑑賞教室は一般向けの数が少ないから、ほんとに大変。
この日は女子高生の団体が鑑賞。どこが可笑しいのかわからないところで笑い声が起こったり、上演中に話し声が聞こえたり、覚悟の上とはいえやっぱりうるさい。時々引率の先生が注意に走ったりしていて、ご苦労様なようなそれも目障りなような。

この日はBプロの顔ぶれ。
 
伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)    火の見櫓の段
芳穂、希、小住、清丈、寛太郎、錦吾
人形:簑紫郎
人数が少なくてすむせいか、鑑賞教室ではよくやる演目。簑紫郎さんで観たのは初めてかな。こういう激しい動きを綺麗に見せるのはなかなか難しい。特に櫓を登るところなど、研究の余地ありという感じ。

解説はつばさ、龍爾、簑紫郎で。龍爾が状況に合わせた三味線の弾き分けを聞かせるところで、「宇宙戦艦ヤマト」を引き合いに出し、「キムタクの古代進が走ってくる感じ」とか言うのが可笑しかった。

三十三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
   鷹狩の段 咲甫、睦、相子、文字栄、靖、喜一朗
   平太郎住家より木遣り音頭の段 始・團吾、千歳・清二郎
勘十郎のお柳、玉也の平太郎、清三郎の平太郎母
鷹狩りの段は初見。お柳と平太郎の馴れ初めの場だが、話を詰め込みすぎの感もあり。結局平太郎の敵討ちはどうなっちゃったのよ。

後半は、勘十郎のお柳の見せ場が続く。平太郎と息子への愛情と、二人に別れを告げなければならない切なさ、木が切られる苦しみを、時に激しく、時に「非人間」的な美しさで見せて圧巻。ほんとに勘十郎さんの人形は男も女も動きが綺麗。
義太夫は奥の千歳と清二郎が、お柳の哀しみを切々と聞かせ、終盤では切られた柳を運ぶ場面で母である木にすがる息子の哀れさいじらしさ、平太郎の苦悩を情感たっぷりに、また木遣り音頭を朗々と聞かせてさすがに立派。
鑑賞教室にはもったいないくらいの出来だったが、今日来ていた女子高生の中で感動したのは何人いたんだろうね。また観たい、と思ってくれる子がいたらいいけど。それともみんな猫に小判だったろうか。
タグ:文楽 勘十郎
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そらへい

若い感受性が、この舞台を受け止めてくれていることを
願いたいですね。
by そらへい (2010-12-08 21:57) 

mami

そらへいさん、
鑑賞教室で初めて文楽を観て、文楽の世界に入った人もいるんですよ。
そこまで行かなくても、また観てみたい、と思ってくれると嬉しいですね。
また、子供相手、となめずに一生懸命つとめている技芸員さんたちにも感謝しています。
by mami (2010-12-08 23:39) 

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