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市川亀治郎 X 三響会特別公演 [舞台]

6月28日
町田市民ホール 13:00開演の部

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「伝統芸能の今」と題された公演。
歌舞伎囃子方の田中傳左衛門、傳次郎、能囃子方の亀井広忠の三兄弟と、歌舞伎役者市川亀治郎の競演。
三響会とその両親の「囃子の会」を先年拝見(拝聴というべきか)して、とても面白かった。
今回は息子さんたちだけだし、行こうかどうしようか直前まで迷っていたが、亀ちゃんの女形の踊りを久しぶりに見たくてやっぱり決行。
町田どころか小田急に乗るのも久しぶり。

一、舞囃子「道成寺組曲」
幕が上がると囃子方お三人に笛、謡の人が座っていて、照明はステージ奥からと床に置いた灯りのみなので逆光になって顔はよく見えない幻想的な舞台。
はじめは演奏だけで、踊り手は途中から出てくる。素踊りなので亀治郎は茶の着付けに黒っぽい袴姿。やはり表情はわからないが、幽玄さを感じさせる。
いったん引っ込んで、後ジテでは白の着付けに濃い目の青の袴、鬼女の面と打ち杖を手に踊る。最後の最後になってやっと舞台が明るくなった。
この曲では、暗いせいもあって、踊りよりも囃子のほうが主体の印象。構成から言っても歌舞伎より能の音楽といっていいのだろう。独特の緊張感が心地いい。

二、座談会
4人が素でのお話。今回の公演は「ゴールドリボン基金」のためのチャリティになっているので、その趣旨とか、この公演や、同じ顔ぶれでの「珠響」の公演、亀治郎の会などについてなど。
また、客席からの質問もあって、「新しい歌舞伎座の杮落としで、何でも好きな演目をやっていいといわれたら?」に対して亀ちゃんが「スーパー歌舞伎の『ヤマトタケル』」と答えていたのが面白かった。このところ猿之助の演目に積極的に取り組んでいる亀ちゃん。澤瀉屋の後継者という意識が強くなっているのだろうか。

三、一調「屋島」
広忠さんの太鼓と謡の二人だけの演奏。お恥ずかしい話、謡の文句はあまりよく聞き取れないのだが、太鼓というメロディのない楽器と謡だけで深遠な世界を表現する凄さは、なんとなくわかるような気がした。

四、舞踊「藤娘」
長唄囃子連中
普通「藤娘」は幕が開いてチョンパで灯りがつくと藤娘が舞台に立っているが、今回は演奏が始まってちょっとしてから登場。
亀ちゃんの踊りは手の使い方が本当にきれい。体も柔らかくて動きも美しい。色気もあってきれいなのだが、ただそのきれいさがなんとなく艶っぽい。「娘」というよりもうちょっと大人の女の、可愛いというより色っぽい雰囲気がする。そこがたとえば藤十郎にかなわないところだ。まだ若いがゆえに、自分より幼い娘の風情を出すのは難しいのだろう。
このごろ立ち役の機会を増やしているように見える(今年の亀治郎の会も女形はやらないし)が、私は女形ももっとやってほしいなあ。

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休憩時間に募金をしたら、ストラップ(あるいはピンバッジ)をもらえました。
そういえば、ミュージシャンのチャリティコンサートはよくあるけど、役者関係のこういう公演はあまり見ない気がする。もちろん、見えないところでいろいろなさってるのかもしれないけど、今後こういう催しが増えるといいと思います。
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