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「パリに咲いた古伊万里の華」展 [美術]

11月2日
東京都庭園美術館
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/koimari/index.html
IMG.jpg
この秋いちばんの冷え込み。今にも降り出しそうなどんよりとした曇り空の下、目黒へ。ここへ来るのはちょっと久しぶりかな。敷地の中は木が茂っているのでこういう天気の日は昼間でも暗く感じる。

江戸時代、鎖国政策の下での数少ない輸出品が日本の陶磁器だった。
この展覧会は、ヨーロッパに渡った古伊万里を集めて展示するもの。
ほとんどの作品が輸出用に特別に製作されたもので、日本国内向けのものとはやはり違いがある。
まずとにかくサイズが大きいものが多い。
これは、これらの磁器が実用の器としてより、装飾用として求められたことが理由だろう。
会場にも写真が展示してあったが、ヨーロッパのお城などではこういう陶磁器をたくさん並べて飾った豪華な部屋を見ることがある。
今回展示されている作品も多くは庶民の家庭ではなく、王侯貴族のお城やお屋敷を飾っていたことだろう。

1.JPG色絵婦人鷹文蓋付大壷
艶やかな遊女らしい女性の絵に、鷹が兎を捕らえる絵が不思議な組み合わせ。この写真じゃ見えないが、その鷹と兎の絵がなんだか鳥獣戯画みたいにユーモラス。今回いちばんのお気に入り。

サイズが大きいために、絵付けの精緻さという点では国内に残る古伊万里に比べるといささか見劣りがする気も。でもその分、色彩や柄はちょっと派手目な感じで、豪華絢爛。特に金彩を多用したものなど、いかにも西洋人が好みそうな感じ。

3.JPG色絵花鳥文蓋付大鉢
中にはこんな風に金属の飾りを後から付けたものも。日本的な感覚からすると、ちょっと装飾過多という気もしないではないけど、ヨーロッパのお城の部屋に置こうと思うとこれくらいでないと映えないんだろうな。

2.JPG色絵芝垣松竹梅鳥文皿
これなどは国内でもありそうな雰囲気。色が綺麗な柿右衛門様式。

青一色の染め付けなどは、マイセンなどの陶磁器に影響を与えたのだろうか。そんなことも考えながら見ると楽しい展覧会。
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