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美しの和紙-天平の昔から未来へ-展 [美術]

10月5日 
サントリー美術館
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/09vol05/index.html

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新国立美術館から東京ミッドタウンへ歩いて移動。サントリー美術館に行く前に、1階の「浅野屋」で一休み。軽井沢が本店のパン屋さんですが、ここはイートイン・スペースもあって、遅めのランチにはちょうどいい。他のミッドタウンのお店ほど高くないし(笑)。と言うか、ここのパンは本当に美味しいです。東京では銀座の松屋にもあるので、歌舞伎座帰りにはよく寄ります。

さて、お腹もいっぱいになって元気が戻ったところで、3階の美術館へ。こちらは申し訳ないくらい空いていました。

今回の展覧会は、天平の昔から現代に至るまで、日本人の生活に欠かせなかった和紙の美しさ、用途の広さを年代を追って見せてくれる、珍しい展覧会。それに書かれた書や絵ではなく、素材である和紙そのものに注目するというのは、確かに滅多にないこと。

第1章 和紙の成り立ちと展開
植物から作られる和紙は、木材原料のパルプよりもずっと丈夫で、1千年以上も前のものが綺麗に残っている。
始めの方の奈良時代の展示はやはり経典が主。貴重な和紙をさらに貴重な藍で染めた上に、金泥銀泥で書き込まれたお経は、見た目にも溜息が出るほど美しく、お経と言うより美術品のよう。また当然ながら、昔の人の字は綺麗ですねえ。

平安時代になると、歌集の写しなど。紀貫之や後鳥羽天皇の筆になるものも。お経と違って、この頃になると仮名書きが出てくる。崩し字で私にはちょっと読めないのがほとんどだが。

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貫之集下断簡(石山切) 藤原定信 平安時代
これなども、字と料紙のバランスが絶妙の美しさ。

第2章 祈りの造形
ここでは、和紙を使ったお寺や神社での行事での奉納品や飾りなど。現代のアートフラワーのようなものもあってとても華やか。

上のチラシの写真は紅花(べにばな)や支子(くちなし)で和紙を染めた「椿の造り花」。1250年続く東大寺のお水取りで観音に捧げられる。
今でも作っているのねえ。色合いがとても可愛い!本物の生花をどこかから採ってきた方がよっぽど簡単だろうと思うが、こうして一つ一つ手作りするところから祈りが始まっているのだろう。

第3章 和紙の伝統を繋ぐひとびと
ここでは和紙作りの道具や、絵巻、屏風絵に描かれた職人の様子を展示。
江戸時代に書かれた「職人図屏風」など、いわば職人尽くしで、いろいろな職業の人が描かれていて楽しい。

第4章 暮らしを彩る和紙の世界
見ていちばん楽しいのはこのコーナー。
和紙を使って作られた様々な道具や工芸品、または折り紙などをモチーフにした着物など、昔の人のアイデアにびっくりする。
紙衣(かみこ)というのは聞いたことはあったが実物を見たのは初めてかも。
もっと珍しいのは紙布で、和紙を細かく裂いて寄り合わせて糸状にしたものを織ったというそれは手の込んだもので、見た目は普通の布のよう。
他にも提灯やら人形やら、また器などこれが紙?と思うようなものまで本当に様々なものがあって、いまさらながら和紙の用途の広さに驚かされる展覧会。
近頃のマンションなどは、襖も障子もないのが多いそうだが、日本人の生活にはやっぱり紙を忘れたくないなあ、と改めて思った。

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リュカ

この展覧会楽しそうですね。
行ってみようと思います^^
by リュカ (2009-10-10 21:05) 

mami

リュカさん、こんばんは。nice!&コメントありがとうございます。
あまり大きいものや派手な作品はありませんでしたが、一つ一つが手の込んだものが多くて、見応えありましたよ。
それほど混んでなかったですし、お薦めです。
by mami (2009-10-10 23:03) 

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