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ルネ・ラリック展 [美術]

9月7日 新国立美術館

チラシ.JPG
会期最終日に駆け込みで。平日だけどさすがにちょっと混んでました。

生誕150年記念。ラリックといえば、香水瓶を初めとするガラス工芸で有名。でもこの展覧会では、ジュエリー作家としての初期の作品から、ガラス工芸に至る晩年までの作品を網羅して見せてくれる。

新鮮だったのはジュエリーで、目を凝らさないと細工が解らないほど細かいデザインの物も多く、宝石はもちろんだが七宝や彫金など職人芸が光る。
デザインは、アール・ヌーヴォーらしく、草花や、鳥・昆虫などの生き物、女性像をモチーフにした物など多彩で、どれもとても繊細で、巧みな色使いが美しい。華やかだけど大仰じゃないところが素敵。
女ならみんなうっとりして溜息が出そう。カルチェなどの有名宝飾店からの注文もあったそうだが、どんな貴婦人を飾ったんだろう。ティアラやドッグ・カラーなどは無理だけど、小さなペンダントやブローチなら今でも身に着けられそうで、「あ~、これ欲しい!」と思うのもたくさん(笑)。古今東西、女はジュエリーに弱いのです。

ジュエリーからガラス工芸に中心を移した当初は、花瓶など大振りのものが多い。ジュエリーと違ってこれらはデザインこそアール・ヌーヴォーらしいものだがあまり繊細な感じではなく、同じガラス工芸のガレに比べても華麗さでは見劣りがするかも。
ただ、ガレの作品がいわば「芸術品」の一品ものであるのに対し、ラリックはもっと大衆に普及する「商品」を作ろうとしたのではないかしら。大衆といってももちろん金持ちでないと買えはしないけど、工場である程度の量産が出来るものを作ったのは、芸術と産業をマッチさせる意図があったのだろう。それが結実して、香水瓶や食器などが生まれたわけ。

香水瓶などは、小さい分、ジュエリー時代に磨いたセンスが生かされた繊細な作りが美しい。
また、珍しいのは、車の先端部分に取り付けられた「カーマスコット」で、様々な意匠のものがあって面白かった。実際に装飾の着いた、鍋島侯爵が所有したクラシックカーが一台展示されていて、優美なデザインが時代を感じさせて素敵。車が単なる移動の手段ではなく、ステータスシンボルであった頃の夢を体現したもの、とでもいうべきかしら。しかし、このカーマスコットに、馬やハヤブサなどをデザインした物があるのは理解できるけど、蛙のがあったのは何とも不思議だった。
グラス類などの食器はもちろん今でも十分使えるデザインのもの。良いなあ、こんなグラス欲しいなあ。

ショップにはもちろんラリック製品のコーナーも。ウン十万円とか、とても手が出ません。いちばん小さい、ペンダントトップでも1万6千円とか、ほ~、と眺めて終わりです(笑)。
タグ:ラリック
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